エッセイ

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偏旁冠脚

知らない。 少なくとも現在の記憶のなかには、まったく存在していない。 学習していないと思っている。習ってない、教えてもらっていない。 つまり人のせいにしているわけだ。  漢字の話である。 つきへんとにくづきは知っている。にくづきは体の器官な...
エッセイ

潮の香のかすかにからむ青田風

古いUSBメモリーを開く。 仕事で作成した書類のフォルダーがたくさん残っている。それらに紛れて、個人的な文書を記録したものもあった。先日公開した短編小説『井戸』は、ここで見つけたものだ。私はすっかり忘れていた。存在も書いたことも。 同じよう...
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自業自得

妻と共通の友人の母親の通夜に行く。最後の別れに顔を拝見した。穏やかな表情だ。 ご遺体は2段ほど上がった先に安置されていたが、私は階段を下りるのが苦手だ。思わず妻の手をとった。お気をつけてと声をかけてくれた友人の長男に対して、妻は応える。「こ...
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845

収集癖はない。 小学校低学年で郵便制度と前島密について習った。それがきっかけになり切手収集を始める同級生はいた。私も数年集めたが、長くは続かない。 面倒なのは嫌いだ。というより集めることは面倒だ。 遊び友だちのなかには、メンコ(関西弁ではベ...
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鎮魂歌

9日か10日だった。 私は神戸でKと会っていた。喫茶店のはしごを何軒かする。ビートルズの曲、ジョンレノンが1日中流れていた。 1980年12月8日、彼は殺された。 私たちは大学生だった。 先日Kが来たのは、昨年亡くなった母のお参りをするため...
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コワい

想像するしかない。きちんと確かめることはできない。 それこそ日本史にも頻繁に登場する怨霊の話である。そもそも肉体を離れて精神は存在できるのだろうか。誰かを恨み害したいという意志は、それのみで存在するだけではなく、実際当事者、相手方に憑依する...
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2万回

半ドンという言葉は死語の一つだろう。 半ドンの半は、1日を午前と午後に分けた半分を意味する。ドンは、軍隊では正午を知らせる大砲のドーンという音だと、教えられた記憶がある。今ネットでウィキペディアを見たら必ずしもそうではないようだ。 しかし、...
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できないようにできている

仲良くしている中学のG先輩は、野球部のキャプテンだった。 もちろん私は、野球部員ではない。 スポーツをする、好むタチではないし、根っからの運動音痴で、おまけに立派な肥満児だった。 先輩には男ばかり4人の子どもがいる。同じ小学校で、次男さんと...