知らない。
少なくとも現在の記憶のなかには、まったく存在していない。
学習していないと思っている。習ってない、教えてもらっていない。
つまり人のせいにしているわけだ。
漢字の話である。
つきへんとにくづきは知っている。にくづきは体の器官などを表す漢字に付くことが多い。
そして現在はどちらも月と記す。
ところが、つきへんの月とにくづきの月は起源が異なり、さらに舟が起源の月もあるというのだ。つきへんが付いている漢字はたくさんあるが、ほんとうは付いている月の意味は3種類ある。
何を今更と言う人がほとんどだろう。知らないと主張することがおかしいし、おのれの頭の悪さを世間に大声で公表しているようなものだ。
しかし、服という漢字の月は、本当に不思議だった。なぜ着るものに空の月が付いているの? それともこれはにくづきなの?
おかげで理解できた。この月は舟だったのだ。きっと帆の材料と同じものを着るものに転用したに違いない。
にくづきの月は肉が変化したものである。
記憶にはまったくないが、そもそもにくづきの説明のときに先生は教えたかもしれない。
しかし私は、例えば肺という漢字なら、まず肺は肉体の器官である、それ故この月はにくづきであると認識していた。先に漢字を理解してから、へんの意味を考えた。
老化が原因の記憶の喪失は、あまり問題にする必要はないと考えている。誰でも普通に衰えるものだから。私の場合もともと能力は低い。覚えは良くないし、おのれの都合や気持ち次第で、忘れていることが多い。仕方ないのだ。
この書いているものの題名は、偏旁冠脚としている。これも知らなかった。
へんという漢字を調べる過程で、ぐうぜん遭遇した。(偏くらい覚えとけよ)
漢字はそもそも日本語ではない。
中国で作られた文字を日本の言葉に当てはめた。
それがこんなにしっくりぴったりしている。今思ったが、表音文字としてのひらがなの働きは、漢字をより際立たせているな。もちろん千年を超えるときの力のおかげもある。ずっと使っているわけだから。
ひらがなだけで書かれた文章は読みにくい。前の文はまさにそう。
表題は、ひとつの漢字そのものを分解して、それぞれの位置にある漢字の部分を表す言葉を表している。
例えば左側なら偏(へん)で右側なら旁(つくり)である。
外側は構(かまえ)、上から下に垂れ下がっているのは垂(たれ)、左側から下側に沿うようにあるのが繞(にょう)である。
偏旁冠脚構垂繞、呪文というかお経のようだ。
漢字の成り立ちがより理解しやすくなる。
不思議に思っている漢字もある。
例えば、無だ。
今調べたら、もともと人が舞う姿を表す舞の漢字からの転用と書いてある。音が同じなので使ったようだが、釈然としない。
昔読んだ本には、一夜にして沈んだムー大陸を表す文字として無はできたと、書いてあったが、その方が得心しやすい。そのとき無の字の下の点々は島を表していると書いてあったな。上の方は大陸そのもの。
考えたら無のもともとの音は中国語だから、ムーではないだろう。
面白くはあるな。



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