15日を過ぎると今年の夏ももう終わりだ。9月は暑いし、へたをすれば10月でも暑い年はあるが、10月がいくら暑くても、まだ夏が続いているとは誰も思わない。
本当に夏らしいのは、夏を強く意識するのは8月である。
それでも15日を過ぎたら終了だ。
以前、北海道出身の友人は、
「夏だからといって北海道の海は泳げません、寒すぎて……」
そう言っていた。その話を先週来た、えりも町在住の従兄の次男にしたら、
「今年は2週間ほど連続で泳げたよ」と言う。
とても暑かったらしい。
確かに今年は、関西でも暑い。毎年すごく暑いけれど。
夏休みが楽しかったのは、誰かに何かをしなさいと、あまり言われなかったからだろう。
小学生のころは夏休みの宿題はたくさん出たが、7月中は誰も何も言わない。これ幸いに自分自身ほとんど、手は付けなかった。ヘラヘラ遊んでいる。
尻に火が付くのは15日を過ぎてからだった。夏休み前にもらった宿題のプリントは、すべて白紙のままだし、絵や工作のたぐいはひとつもできていない。読書感想文を書こうにも、本は1冊もまともに読めていない。
結局できないまま、新学期を迎える。泣いても叫んでもどうすることもできない。
『算術の少年しのび泣けり夏』
西東三鬼の有名な俳句である。
もちろん夏休みの宿題ができなくて、忍び泣いているわけではない。もっと高度な算術が理解できず、解答に至らないのだろう。そう考えた方が句に深さがでる。
日にちがあるのにしなかった、私とは違う。
この句の少年は、三鬼の子息のようである。三鬼自身は歯医者さんだから、算術が苦手とは思えない。算数というか、数学の苦手な理科系男子はいないに違いない。
子息が、難問が解けないことを忍び泣いて憤るさまは、美しいと思う。戦前の少年は忍び泣いたのだろう。忍び泣きそのものに詩情がある。
今の子たちはどうだろうか。
スマホに解答はみんなあるか。何でも簡単にわかってしまうのは、人にとって本当に良いことなのだろうか。
三鬼にはこんな作品もある。
『おそるべき君等の乳房夏来る』
夏の終というタイトルを付けておいて、夏来(きた)るはおかしいな。
しかし、この作品もとても好きだ。覚えている俳句は、好きだから覚えている。
県警の防犯ネットサービスに加入しているので、犯罪の発生状況などは逐一、メールで通知される。自分が住んでいる市と人口が多い隣の市、そして友人の住所地が2か所の、合わせて4か所に限定して登録している。日に何件も通知される。テレビのニュースになるような、大きな事件はこれまでまったくない。
オレオレ詐欺というか、特殊詐欺の予兆電話というか、これは多い。
露出事件やつきまといも毎日ある。
夏だから露出的な痴漢行為も多いな。もっとも逮捕されるのは、ほぼ男性だけだ。女性はしないのだろう。おそるべきものは基本、隠すのが日本的発想だ。
それにしても、イイ大人が下半身を放り出して、何がうれしいのだろうか。まったく理解できない。届くメールを見ていると、オヤジだけでなく、ハタチそこそこの青年がたまに捕まっている。酔っぱらったあとの所業なら、まだ理解できるのだが、どこにも酒という単語は出てこない。素面でマッパになるのは、犯罪には違いないが、本人の趣味嗜好の領域と深くかかわっていると思えるので、できるなら見て見ぬふりをしてやりたい。
しかし、犯罪だから、そうは行かないか。エスカレートする可能性もあるしね。
子どもに声をかける人もいるし、つきまといもある。
大事に至らないよう、素早く通報すべきだろう。どういう犯罪を意図しているか、誰にもわからないから、危険の芽はしっかり摘んでおこう。
特殊詐欺の予兆電話というのは、市役所職員のフリをして、健康保険の還付金が出るなどと言うらしい。
これ、土日や祝日にもかかってくる。休日返上して働いている市役所の職員など、まずいない。
土日祝日に電話で、市役所ですと言われたら、絶対に疑う。何より嘘と考える。そのまま電話を切るのも正解だ。
ウィークデイには普通にかかってくる。市役所の健康保険課とか言うだろう。そして暗証番号を聞き出し、わざわざ自宅まで出向いて、キャッシュカードのすり替えをやる。手先の器用な人は、どこにでもいる。
テレビでたまにマジックの種明かしをするが、手先の器用さだけで成立しているマジックもある。目の前でやられても、素人は全然わからない。
きっと受け取ったキャッシュカードをすり替えることなど、本人には気づかれることなく、お茶の子さいさいで、やってのけるだろう。
知らない人からかかってきた電話にはでないことにしている。家には固定電話はないので、そもそも電話はかかってこない。スマホは、電話帳に登録していない番号にはでない。
何年も使っていたガラケイと今のスマホの番号は同じなので、知り合いが私に用事がありかけている場合もある。その時は、短い時間に複数回着信することが多いので、翌日再度同じ番号からかかってきたら、出ることにしている。
かかってこなければ、大した用事ではないのだ。
本当に急用がある人は、今のスマホに番号があるのが普通だから、問題になったことはない。
知人の着信より特殊詐欺の予兆を排除することが重要だ。
騙されても払える金はないから平気だが、鬱陶しい目にはできるだけ会いたくない。
詐欺師は知らないからね、私に袖のないことを。ない袖は振れぬ。



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